3月のFOOD:生ワカメ
古代から日本では食されてきたワカメ。
ワカメを食べる習慣のある国は少なく、海外では近年、ワカメの持つ効能が注目され始め、少しずつ広がりを見せています。
1年中見かけるワカメですが、市場に出回っているワカメの大半は塩蔵ワカメです。
生のワカメを湯通ししてから塩をまぶしつけたもので、昭和40年代に養殖技術が広まってから作られるようになったものだそうです。
本来のワカメの旬は3~5月で、この時期は、ワカメを生のまま食べることが出来ます。
この時期を逃すと、ワカメを乾燥させた「乾燥ワカメ」や、塩漬けにした「塩蔵ワカメ」しか食べられません。

■生ワカメとの出逢い
子供の頃の話になりますが、徳島に家族で行った時に、鳴門海峡のサービスエリアで「鳴門ワカメ」を地元の方が販売されていました。
軽く茹でたワカメが、だし汁に入っているというとてもシンプルな実食販売。
「どうせワカメでしょ」と思いながら頂いた時、本当に衝撃でした。
ワカメって美味しいんだ・・・!!
その時以上に美味しいワカメを食べたことが無いと、ずっと残念に思っていたのですが、
それは「生ワカメ」で、1年を通して手に入るワカメとは違うものだと知ってからは、
生ワカメが手に入るこの時期がとても楽しみなのです。
今日はぜひ皆様に「生ワカメ」の世界を知って頂ければ幸いです。
■ワカメの栄養素
ワカメに含まれる栄養素としてまず挙げられるのがヨウ素です。
身体の中に取り込まれたヨウ素は、甲状腺ホルモンの構成成分として使用され、
たんぱく質の合成や、細胞の活動、神経細胞の発達と、身体の発育に必要不可欠な働きをしています。
ただし、摂り過ぎには注意。毎日味噌汁に入れる程度でも十分必要量を摂取出来ます。
他にも
・高血圧の予防効果や、むくみの解消などに効果的なカリウム
・骨や歯を形成するのに必要なカルシウムやマグネシウム
などのミネラルが豊富です。
乾燥ワカメは水で戻すことでミネラルが水に流れてしまうので、生ワカメの方が数値が高くなるそうです。
あと、ぜひお伝えしたいのが、ヌルヌルの元である「フコダイン」と「アルギン酸」、
海藻の中でも昆布やワカメやヒジキなど褐藻類が持つ色素成分である「フコキサンチン」です。
「フコイダン」は食物繊維の1種で、海藻の表面を覆い守る役割を持つと考えられています。
血栓予防作用や、コレステロール低下作用、抗ウイルス作用、免疫細胞の活性を高め、抗がん作用などがあるのではないかと注目されています。
「アルギン酸」も食物繊維の1種。アルギン酸には、消化を促進させたり有害物質を体内に排泄する作用などがあると言われています。
「フコキサンチン」は、抗肥満作用、生体内抗酸化作用、抗糖尿病作用、抗腫瘍作用、抗炎症作用などがあると考えられています。
ワカメに有効成分が含まれているとはいえ、動物実験や細胞試験レベルなので、ヒトレベルでの有効性はまだまだこれからという状況です。
ですが、世界的にも注目されている日本食材の1つと言えるでしょう。
■生ワカメの食べ方
簡単な下処理さえすれば、あとはどんなお料理にも使いやすいです。
まずは、下処理の方法をお伝えしますね!
[1] スーパーで買ってきたらまずは軽く水洗いしてください
[2] 鍋にたっぷりお湯を沸かし、沸騰したら、軽く水洗いしたワカメを投入
[3] 色が綺麗な緑色に変われば、お湯から出します。サッと茹でる程度で大丈夫です。
[4] 氷水にさらしましょう
[5] 食べ方は様々です!
①ワカメのポン酢和え
[4]のワカメを食べやすく千切りにカットしたら、ゴマと和えてポン酢で頂く
②ワカメ汁
出汁を沸かして火を止めたら食べやすい大きさにカットした[4]のワカメを投入
塩味が足りなければ塩をひとつまみ入れてください
③食物繊維たっぷり!ワカメとエノキの炒め物
えのきは根元を取り除き、半分に切ります
生姜を1かけ千切りにします
フライパンにゴマ油をひき強火にかけ、[4]のワカメを加え水分がなくなるまで炒めます
エノキと生姜を加え、料理酒を大1加え、しんなりするまで炒めます
火を止め、醤油小1、砂糖小1を加え、余熱で和えます
色んな食べ方が出来る今の時期だけの「生ワカメ」。
特に便秘で悩みがちの方にはオススメしたい食材です。
不足しがちなミネラルを沢山摂れる上に、お財布にも優しい食材なので、
スーパーで見つけたらぜひ一度使ってみてくださいね!