ストレスについて〜自分に合ったストレス対処法の見つけ方と、抑えておきたい栄養素〜

 1. ストレスのメカニズム

 ストレス社会と言われる現代は、「ストレス状態が当たり前」となっている人も少なくないようです。

 そもそも、ストレス状態とは何かというと、刺激に影響され、心が圧迫されている状態のこと。

 刺激は、寒暖差、人間関係などの「外的ストレッサー」と、疲労、不安、怒りなどの「内的ストレッサー」の2種類に分けられます。

 ストレス状態が起きる経緯を詳しくみていきましょう。

 内的、または外的ストレッサーからの刺激を一番はじめにキャッチするのは、脳の大脳皮質です。そこから、視床を通って、脳内の視床下部という部位に伝達されます。


 すると、視床下部から、呼吸や体温などをコントロールしている自律神経、新陳代謝や内臓の働きを活発にするためのホルモンバランスを保っている内分泌、異物から身体を守る働きを担う免疫に影響が及ぼされます。


 適度なストレスの場合、これらの働きによってストレスに対応することができますが、過度なストレスやストレス状態が長期にわたるとキャパオーバーとなり、様々な身体症状へと発展します。


 自律神経、内分泌、免疫の働きを総じて、ホメオスタシスと言いますが、これは、私たちが意識をしなくても、常に勝手に働いていてくれる素晴らしい身体機能です。

 一方で、自動で働いてくれる分、私たちが司令を出して、その連携を止めることができない、という性質を持っています。

 この働きがうまくいかなくなると、うつ病などの病気に発展する可能性があるため、過度、または長期的なストレスを受ける時は、その事実をできるだけ早い段階で自覚し、対処していくことがとても大切です。

2. 自分に合った対処法を用意しておこう

 ストレスの対処法には、運動、友達と話す、瞑想する、好きなことに没頭する、自然と触れ合うなど、様々な方法がありますが、人それぞれ、実践しやすい方法、または楽しいと感じる方法は違いますよね。

 無理に「やらなきゃ」と行うことは、それ自体がストレスとなるので、できるだけ心に負担がかからず、心から楽しめる方法を日頃からいくつか用意しておくと良いでしょう。

 自分に合ったストレス対処法を導き出す場合は、「副作用」のないものにしましょう。例えば、ストレス発散に甘いモノをドカ食いする、深酒をする、などは、一瞬の快楽が得られたとしても、その後「あんなに食べるんじゃなかった」「二日酔いで気持ち悪い」などと後悔だけでなく、身体的にも不快感を味わいますよね。これでは、ストレスを解消したというより、一時的に「誤魔化した」に過ぎません。

 その場しのぎの方法ではなく、専門家や周りの人の助けを借りてでも、より本質的にストレスを軽減する方法を見つけていきましょう。

3.  ストレスに負けない身体をつくる栄養素

 ストレスの対処法は十人十色。でも、栄養の観点では、私たち誰しもに共有して大切な、ストレスと最も関連深い栄養素があります。まず、必ず抑えておきたいのが、タンパク質。

タンパク質(アミノ酸)の中でも、グルタミンは心の安定をもたらすGABA、フェニルアラニンはやる気を引きだすノルアドレナリンと快活さのもととなるドーパミン、トリプトファンは睡眠の質を高めるメラトニンと、いわゆるハッピーホルモンのセロトニンという神経伝達物質となります。

これら一つ一つの神経伝達物質の働きが、いかにストレス予防に大切か分かりますよね。ストレスを感じやすい時には、タンパク質の摂取を心掛けてみましょう。ただ、消化されにくいタンパク質は、過度なストレスを感じている場合、胃腸に負担なることもあるので、調理方法や量、動物性タンパク質ばかりに偏らないようにするという点も意識してみてください。

タンパク質以外に抑えておきたい栄養素は、ビタミンとミネラルです。特に、ストレスを感じると消費量が高まるビタミンC、神経伝達物質の合成に欠かせないビタミンB群、足りなくなるとイライラや不眠につながるカルシウム、不安感を抑えて気持ちを落ち着かせてくれるマグネシウムを意識して摂取しましょう。

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