3] ヨガやマインドフルネスは、本当に効果があるの?

 「なんとなく良いものだとは分かった。でも、実際どんな効果が得られるの?」と懐疑的に思われる方もいるかと思い、これまでに研究で得られた科学的なエビデンスの一部をご紹介します。

 懐疑心がなかったとしても、改めてヨガやマインドフルネスの効果や研究結果を知ることで、より意義を感じながら行えるかもしれませんので、ぜひ読み進めてください。

 1) ハーバード大学医学大学院での研究

脳・遺伝子への影響】

引用元:Maxtrom

5年間にわたり慢性的に強いストレスを受けている脳や遺伝子に、ヨガや瞑想が及ぼす影響について研究を行った。

対象者: 慢性的なストレスを受けている210人の被験者

検証方法:被験者たちへのアンケート、血液による遺伝子解析、神経画像などを使い、ヨガや瞑想によってストレスや炎症反応にかかわる遺伝子の変化を6カ月にわたって追跡調査。

研究結果:1レッスンでも効果が見られた

・エネルギー代謝に関わる遺伝子の発現

・ストレス遺伝子が減少

・各種精神疾患の症状の緩和や改善効果が期待できることが分かった

2) ワシントン大学での研究

職場でのパフォーマンス向上】

引用元:マインドフルネス研修セミナー株式会社サンカラ


対象者
:人事の管理職の人たちを12~15人を3つのグループに分け、8週間のトレーニングをした。

Group1 : 瞑想の練習

Group 2: 身体的なリラクゼーション

Group 3: 8週間キャンセル待ちをしてもらってから瞑想の練習

内容

◦被験者に、文字入力、メールやカレンダー、インスタントメッセージのような一般的な事務作業をしている間の「スピード」、「正確性」、「マルチタスク」のテスト行い、被験者のストレスレベルと記憶力について記録した。

研究結果

◦瞑想をしたグループは、他のグループよりもストレスが少なく、集中力も高く、記憶力も向上していた。

◦キャンセル待ちをしたグループは、8週間後に瞑想の練習を始めて、やっとストレスが軽減された。身体的なリラクゼーションのグループは、不思議なことに仕事中リラックスできなかった。

3) ハーバード医学大学院で2012年に行われた研究

瞑想の効果は持続する

引用元:Harvard News

ショッキングな内容のものを見せられたときの脳の反応。左は瞑想をする前、右は瞑想を習った後。

内容:

ハーバード医学大学院のfMRIを使った研究
(f=Functional、脳の画像を撮るだけでなく撮影時の活動も記録する)

・2ヶ月かけて瞑想を習った被験者のビフォー&アフターの脳の状態

・瞑想時ではなく、普通のことをしているときに撮影

結果:

・撮影時終始、「扁桃体(ヘントウタイ)」に変化が見られた。

<扁桃体とは>
ヒトを含む高等脊椎動物の側頭葉内側の奥に存在する、アーモンド形の神経細胞の集まり。 情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つことが示されており、大脳辺縁系の一部。

4) その他、証明された様々な効果・効能

アンチエイジング効果 

カリフォルニア大学の研究によると、12分のヨガ・瞑想を8週間続けて行ったところ、テロメラーゼ活性が43%増加 ( ) 

→ストレスからくるエイジング対策に効果が期待できる

●遺伝子レベルでのストレス解消

スペイン・フランス・アメリカの研究によると、瞑想をしていたグループは、静かに過ごすが瞑想はしないグループに比べ、瞑想をしてから8時間経ってからも抗炎症薬や鎮痛剤の役割をする遺伝子に変化が見られた ( )

→ストレス状態から素早い回復が可能

●不安感・うつ病の改善

JAMA Internal Medicine によると、47の研究を検証した結果、ヨガ・瞑想・マインドフルネスが不安感の解消やうつ病の改善に効果的であると言っても安全だ、という結論に至った。驚くべきは、1週間に2.5時間という短時間でも、目に見える効果が現れたことだ。( )

→短期間でも心理状態に影響を与え、精神疾患の回復に寄与する