自分で簡単【ツボ押し】で、心と身体を癒そう〜自律神経を整える「百会(ひゃくえ)」

小学生くらいから、暇なときは基本的にツボを押している私。授業中や通学中、友達と遊んでいるとき、手持ち無沙汰になると、ツボを押すのが習慣になっていました。

こうやって改めて文字にしてみると、ものすごくシュールな小学生ですが…この「ツボ好き」は、父親譲り。

大学生時代に中医学に興味を持ち、つぼ押しのマッサージを習い、バイトをしていた父は、案の定マッサージが物凄く上手く、幼い頃から週末父にマッサージをしてもらうことが私と弟の密かな楽しみだったんです。

というような背景から、私個人としては幼少期から馴染みがあったツボですが、「聞いたことはあるけど、ツボって一体なに?」という人がほとんどかと思います。


1] そもそもツボって?

私はその道の専門家ではないので、ざっくばらんな説明にはなってしまいますが、心身の不調を改善するにあたって「気と血の流れを整える」ということが主軸にある中医学では、身体の中を生命エネルギーが流れる「道」と、隅々に各症状に対応する「ポイント」があると考えます。

これらの道のことを「経絡(けいらく)」、ポイントのことを「経穴(けいけつ)」と言い、「経穴」のことを一般的に「ツボ」と呼んでいます(1)。

そして、様々な方法でこれらのツボを刺激することで、気と血の流れを改善し、心身の回復を促すと考えられています。

血流はそもそも、目に見えない「気」の話となると、なんだか胡散臭いと感じる方もいるかもしれませんが、何千年の歳月を生き延びてきた叡智というだけでなく、現代ではWHO(世界保健機関)等にも効果が認められ、世界中に広まっている治療法です(2) 。

私自身、針・マッサージ・お灸すべて体験してきましたが、どれも効果を実感していますし、車で世界一周をしていた際に坐骨神経痛に悩まされた時には、ポルトガルで受けた中医学式の治療にとても助けられました。


2] 30秒でリフレッシュ!自分でできるツボ押しの方法

今日ご紹介するのは、頭のてっぺんにある百会(ひゃくえ)というツボ。

五つの経路が合わさっていて、身体の様々な部位に影響を与える主要なツボのひとつです。

特に、自律神経のバランスを整える効果が高く、頭痛、不眠症、めまい、自律神経失調症などの回復に一役買ってくれます。鬱病の治療において、最も使用頻度の高い5つのツボのうちの1つです(3)。

頭頂の少し凹んだ部分を指の腹で押してみると、ジーンと響くような痛気持ち良さを感じる部分があります。そこが百会です。3〜5秒かけて、ゆっくりと押してみましょう。強く押しすぎる必要はなく、痛きもちいくらいでOK。圧を弱める時も、3〜5秒かけてゆっくりと戻してみましょう。


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これを、5回を目安に行ってみてください。

もしかしたら、すぐには劇的な効果を実感できないかもしれませんが、大丈夫。元々、東洋医学における治療は、西洋医学のそれと比べて、穏やかに行う特徴があります。目に見えた効果が出るまでは時間がかかるものの、西洋医学によくあるような副作用が生じずらかったり、断片的な症状の回復ではなく、抜本的な体質を改善していく性質もあります。

もしかしたら、「大丈夫じゃない自分」に寄り添ったり、「ちょっとでも良くなろうと努めている自分」を認識して、長い人生こういうときもあるよね、と許してあげる。 そんな自分に対する思いやりこそが、今あなたが最も必要としている「治療薬」かもしれませんよ。

あなたの心と身体が、ちょっとでもいい感じになることを願って。


COCO
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    <<参考文献>>
    (1) ツボ【百会】の効果を高める指圧方法 全身に刺激が届く「百会のずらし指圧」のやり方”. 特選街 https://tokusengai.com/_ct/17282550 (2020年4月2日)

    (2) British Acupuncture Council, WHO list of conditions, “World Health Organisation”, https://www.acupuncture.org.uk/public-content/public-traditional-acupuncture/4026-who-list-of-conditions.html

    木村真梨. “うつに有効な鍼灸のツボとその作用気さくに関する考察”. ファルマシア・53巻・7号・699頁. https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/53/7/53_699/_pdf/-char/ja (2020年4月2日)