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PART 2. 資格×資格=新たな自分との出会い!直感を信じてチャレンジ

ナチュラルライフコーチとして個人事業を営む岡野真弥さんは、植物療法士やハーバルセラピストなど数々の資格を持っています。現在岡野さんが保有する資格は、取得中のものも合わせると、その数なんと17個!

「1つの資格を取ったら、そこからまた興味が広がり、次はこの資格を勉強しよう」とひらめき、「取った資格はすべて事業につながっています」と岡野さんは語ります。岡野さんはどのようなきっかけで資格取得にチャレンジし、どのように資格を仕事に活かしてきたのでしょうか?第2回目のインタビューでは、岡野さん流の資格との向き合い方を伺いました。

岡野さん流!資格との向き合い方

岡野さんが現在のお持ちの資格について教えてください。

私が最初に取った資格は植物療法士とハーバルセラピストです。会社員時代の体調不良を改善させるには植物の恵みを活用した自然療法が良いのではないかと考えたからです。その後、漢方やヨガ・アーユルヴェーダなど、東洋医学の視点を学ぶための資格から、心のセルフケアに役立てるためのコーチングやヒプノセラピスト(催眠療法士)など、17の資格を取りました。

岡野さんが資格を活かして実現させたいことは何ですか?

植物療法士・ハーバルセラピストの資格を取ろうと考えた時は、仕事に役立てようとか人のためにと思っていたわけではなく、自分自身のためでした。しかし、自分が癒されていくうちに、「同じように悩む方の力になりたい」という想いが増していきました。インスタグラムで発信すると個人や企業の方から声をかけていただいて、セミナーやイベントを開催するようになりました。それが自然に事業になっていった形です。

サービスを提供する際の私のテーマは、お客様一人一人の違いを理解すること。お客様それぞれ体質も違うし、相性もありますよね。だから1つのセルフケア方法を押し付けるのではなく、「あなたはこうなんだね」という個性を尊重していくことがスタートだと思っています。
様々な資格を持っていると、よりきめ細やかなサービスを提供できるので、取得して良かったと感じています。私が学んだあらゆる知識を総動員して、お客様一人一人が自分に合ったセルフケア方法を見つけるのをサポートしたいと考えています。

 

直感を信じる!資格の選び方

岡野さんはどのように取りたい資格を決めているんですか?

一言でいえば「直感」ですね。資格のホームページを見た瞬間に「これだ!」と感じたりワクワクしたりした時は、たいていうまくいきますよね。

植物療法は紀元前から世界中で親しまれてきた療法の一つで、西洋的なアプローチと東洋的なアプローチがあります。前者は、科学的根拠のある植物の有効成分を症状に合わせて取り入れて、後者は、漢方・薬膳のように体質に合わせて取り入れます。新卒で国内大手リゾートグループに就職した理由もそうですが、日本の暦に合わせた暮らしや日本の精神性に魅力を感じていたので、次に漢方・薬膳に興味を持ったという経緯があります。
漢方・薬膳の勉強を始めると、漢方薬に頼る前に、健康の基本である「食事・運動・休養」の柱を整えることの大切さを実感しました。それならその3つを学ぼうと考え、RYT₋200と言われるヨガのインストラクターの資格や食事療法の勉強を始めました。こんなふうに興味がわく方向に資格を取ったり、独学での勉強に励んでいきました。
私は人間の心と体の神秘や無限の可能性に興味を持っていて、「もっと知りたい」という欲求に突き動かされている部分があると思います。いつもその先に資格があるという感じですね。

「直感」とおっしゃったのが印象的ですが、そのインスピレーションはどこからわいてくるのでしょうか?

直感の源ですか…もしかするとそれは原風景かも知れません。原風景とは、子どもの頃に見た風景や懐かしさを感じる場所のことで、人の心の奥にある風景だと言われています。私の場合、原風景のひとつに祖父母の家があります。

私は東京で育ったのですが、祖父母の家は自然が豊かな地方にあり、遊びに行くたびに山や川、海などの自然に癒された経験があります。その安心感がなんとも言えず心地よくて、生きるエネルギーをもらったんです。また、祖父母は自宅に小さな畑を持っていて、いろいろな植物を育てていました。私が元気がない時は自家製の紫蘇ジュースを飲ませてくれて、喉が痛いと言えば金柑を食べさせてくれて…。いわば自然の恵みでケアをしてもらって、すごく癒されたんです。

自分が何かに興味を持つとか、何かやってみたい、これはいい!と突き動かされる時には、自然と触れ合っている時の感覚を思い出しているような気がしますね。自然体でリラックスしながらも、ワクワクしているような感覚と一致するものに出会った時に「これだ!」とひらめいているような気がします。そう考えると、幼少期の原風景が直感につながっているのかも知れません。

 

資格取得はポジティブな気持ちでチャレンジする

岡野さんは数々の資格を持っていてすごいなと感心していますが、資格を取る時はいつも意欲的に勉強していますか?

そうですね。最初の頃は遊び誘いも全部断って必死に勉強していました。今振り返ると心に余裕がなかったように思います。会社員を辞めてすぐの頃、体調不良を治したくて植物療法と漢方を学んでいたんですが、さらに体調が悪くなってしまったんです。アトピー性皮膚炎が悪化して夜中に搔きむしって出血したり、喘息を起こしてしまって……。健康のために勉強しているのになんでだろう、とすごく落ち込みました。
当時の自分を振り返ると、「もっともっと勉強しなくてはいけない」「私はまだまだ不十分だ」という義務感や自己否定の感情でいっぱいでした。「こんなに一生懸命勉強しているのになぜ?」と、自分を責める気持ちになっていたんです。

資格取得中に体調不良を経験してどのようなことを学んだんですか?

当時の私は、資格取得のために頑張っていたものの、心の中には、「私は健康じゃない」「自分はまだまだダメだ」という前提があったんですよね。完璧を追い求めるあまり、自分のことを否定したまま、自分にムチ打って頑張り続けていたんです。アクセルとブレーキを同時に踏むというか、そんなアンビバレントな状態だったと思います。
そんなエネルギーで勉強していたら、当然健康にはなれませんよね。健康とか人生についての勉強って、学校の勉強と違うので、追われるように勉強しても元気になれるわけではないことがよくわかりました。意識と行動を一致させることが大切なんですよね。「自分は健康とどう向き合うか」「この勉強をやっていて自分が心地よく感じるか」というマインドが大切だということを身をもって学びました。

 

資格も経験も、すべてをひっくるめて仕事に生かす方法とは

岡野さんは資格で得た知識をクライアントに教えるだけではなく、生き方のサポートもされていますよね。素晴らしい活動だと思います。資格だけでなく経験を仕事に活かすにはどうしたらいいでしょうか?

私自身、会社員時代を経て、資格を取って独立し、迷いながらまた様々な資格にチャレンジしてきましたが、その過程を経て自分にとってどんなセルフケア法や生き方が心地よいのかを知ることができました。「これまでどのような苦労を経験し、どのように乗り越えていったのか」を自分の言葉で発信していくことが仕事につながっていくのではないでしょうか。そのプロセスはオリジナリティ溢れる宝物だと感じています。そのような理念のもと、コーチングサービスを提供しています。
私の経験からも言えるように、自分が心地よくないことを我慢して続けても健康にはなれないんですね。だから、資格を取ることをゴールにするのではなく、自分が何に心地よく感じるのかに感性を研ぎ澄ませたり、自分を肯定してあげたりしたいものですね。「どんなマインドや意識で資格取得や仕事と向き合うか」が一番大切だと思います。